歓迎のことば
国立大学法人 鹿屋体育大学 学長挨拶
鹿屋体育大学
学長 松下 雅雄

日本コーチング学会第33回学会大会が鹿屋体育大学で開催されますこと、前回の第31回学会大会はコロナ感染拡大防止のため、お越しいただくことができませんでしたが、参加者の皆様を全国からここ鹿屋の地にお迎えできること、鹿屋体育大学を代表して心より歓迎いたします。
昨年は1年延期された東京オリンピック・パラリンピックがほぼ無観客で開催されました。新型コロナ感染症対策のため多くの活動が中止、延期されるなど、閉塞的な日常を送っていた国民に対し、トップアスリートのパフォーマンスが多くの方々に感動を届けたと思います。今、日本ではスポーツ庁が中心となって「スポーツをする、見る、支える」というスローガンのもとスポーツの振興に取り組んでいますが、それらをつなぐこととして、多くの方がよりわかりやすく、より楽しめるようにスポーツ活動を言語化することが必要になってくると思います。
本学ではスポーツパフォーマンス研究として、スポーツ活動における実践や経験を言語化し、新たな理論を創出する、経験や勘に基づく知識を客観的に測定分析し、実証するという実践・事例研究に取り組んでいます。また、スポーツコーチのプレイヤー中心の考えに基づいたスポーツ指導力を可視化するテスト、SCCOT(Sport Coaching Competency Test)を作成し、実用化に向けて取り組んでいます。
一方、現在社会において、スポーツ指導やスポーツ組織に関するマイナス的な事案が報道されています。スポーツの語源から考えますと「スポーツは楽しいものである」と考えるのですが、なぜもこのような暗いニュースが出てくるのでしょうか。
日本コーチング学会におかれましても、各スポーツ種目の指導法などの研究を進められていると考えられますが、スポーツ指導者に求められる専門的技術や知識に加え、指導者倫理など、もっと日常的な言葉でいえば指導者としてのモラルなどの教育研究を、今よりさらに推進されることも必要ではないかと考えます。ぜひ、貴学会でも、全国のコーチへ、これからのコーチに浸透・普及されるような啓蒙活動を検討していただくことを心より願っております。
最後になりましたが、鹿屋体育大学としまして大会運営に鋭意努めてまいりますが、至らない点もあると思います。参加者皆様の寛容とご協力をお願いし、日本コーチング学会第33回学会大会が成功裏に無事終了しますことを期待し、挨拶といたします。
令和4年3月
ご挨拶
日本コーチング学会 会長挨拶
日本コーチング学会 会長
筑波大学名誉教授 中川 昭

この度、鹿屋体育大学において、日本コーチング学会第33回学会大会 兼 第15回日本体育・スポーツ・健康学会体育方法専門領域研究会を開催することになりました。今回の鹿児島、鹿屋の地での学会大会は、前身のスポーツ方法学会の時代も含め、初の九州での開催となります。鹿屋体育大学の関係者の皆さま方には、中止となった2年前に引き続き、再度の学会大会開催を快く引き受けて頂きました。この場を借りて心より感謝申し上げます。
さて、日本コーチング学会は、現在、コーチング学の学体系の構築を最重要課題として位置づけ、様々な活動を展開しているところです。とりわけ、コーチング学の理論書の発刊に力を入れており、これまで一般コーチング学とスポーツ類型別コーチング学の理論書として『コーチング学への招待』と『球技のコーチング学』を学会から発刊しました。そして現在、測定スポーツと評定スポーツをテーマにしたスポーツ類型別コーチング学の理論書の発刊を鋭意進めているところです。その他、学会誌や学会大会、学会HPにおいても様々な工夫や改良を行い、コーチング学の学体系構築の促進を図っています。
本学会が力を注いでいるもう1つの課題は、学会という立場から積極的に社会へ情報を発信し、わが国のスポーツ指導の健全な発展に貢献していくことです。そのために情報発信のツールとして学会HPをリニュアルし、幾つかの重要な社会的問題に対して学会としての意見表明をHPに掲載してきました。現在は、来年度から実施される第3期スポーツ基本計画に対する意見表明の掲載を準備しているところです。
今回の学会大会では、『鹿屋から「コーチング」を問う』をテーマに掲げ、様々な立場からコーチングの意義を問いかけることが意図されています。今後、トップレベルの競技者だけでなく、子供、老人、女性、障がい者など様々な主体が行うスポーツへの関心がこれまで以上高まることが予想される中、今回の企画はたいへん有益なものであると思います。本学会大会では、会員の皆さまの研究発表と併せて、様々な立場からのコーチングの意義について活発な議論が展開されることを大いに期待しています。
令和3年12月
第33回学会大会 実行委員長挨拶
第33回学会大会 実行委員長
鹿屋体育大学 教授 髙橋 仁大

日本コーチング学会第33回学会大会を鹿屋体育大学で実施する運びとなりました。2020年3月に、第31回学会大会を鹿屋体育大学で開催する予定で準備を進めておりました。しかしながら、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、直前に対面での開催を中止し、オンラインでのポスター発表を行う形式で皆様の研究発表の機会を確保しました。次の第32回学会大会は完全オンラインでの開催となり、そこでは第31回学会大会で企画していた講演ならびにシンポジウムを行うことができました。それらの経緯を踏まえて、今回改めて鹿屋体育大学で第33回学会大会の開催となりました。前置きが長くなりましたが、本学会大会の実施にあたり、各方面に多大なご協力をいただいております。誌上ではありますが、ここに改めて感謝申し上げます。
今回の学会大会は、テーマを『鹿屋から「コーチング」を問う』としました。東京オリンピック・パラリンピックを終え、華やかな舞台でのコーチングが脚光を浴びましたが、我々はそれぞれの立場における現場でのコーチングについても常に考えを巡らし、刺激を取り入れ、バージョンアップを図っていく必要があります。日本コーチング学会大会が鹿屋体育大学で開催されることの意義について改めて整理し、本土最南端の鹿屋の地から、皆様の持つ「コーチング」を問うようなトピックを提供することができれば、この上ない喜びであります。
新型コロナウィルスの影響は未だ大きく、本学会大会の対面での実施も予断を許さない状況ではあります。対面での学会大会の実施にあたっては、皆様に多方面でご協力いただくことが必要であり、ときにはご不便をおかけすることがあるかもしれません。それでも、この挨拶文が印刷されたプログラムを皆様が鹿屋体育大学にてお読みいただいていることを願いつつ、我々も最大限の準備とできる限りのおもてなしの心で、皆様をお迎えできればと思っています。
2年越しの学会大会の開催を受け入れていただいた日本コーチング学会に敬意を表し、参加される皆様方にとって印象に残る学会大会となるよう、努めて参る所存です。
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